解説
間引きとは、密集して日光不足や肥料不足になって徒長してしまうことを防ぐために、込み合っている場所から随時植物を引き抜き、あるいは刈り取り、人為的に淘汰する作業を指す。葉野菜であれば間引き菜として収穫可能なので、捨てないようにしよう。
間引きのタイミングと必要性
発芽直後に最初の間引きが必要である。葉野菜はそれぞれの芽の間隔を2cmはあけて間引きを行う。実野菜や園芸植物の場合は発芽直後に一箇所一本の芽にしてしまう。これを怠ると、以下の問題が発生する。
- 日光不足、肥料不足で徒長する。つまり極端に言えばカイワレダイコンのようになる。
- 徒長の結果風に弱くなり、折れやすくなる。実野菜の場合は収穫できる実が極端に少なくなる。
葉野菜の次からの間引きは随時、葉が重ならない程度に行う。これを怠ると、以下の問題が発生する。
- 密集することで空気の通りが悪くなり、病害、虫害が発生しやすくなる。
- 日光不足、肥料不足で徒長する。
- 徒長することにより貧弱な野菜になり、結果収穫量が減る。
間引き菜、間引きスプラウトの収穫
一般的に、ばら蒔きでの間引きは苦痛である。間引きしなければならない芽の数が多いのだ。実野菜や園芸植物なら食べられないのであきらめもつくが、葉野菜の場合は間引きスプラウトとして食べることができる。しかもこれがサンドイッチなどにすると美味い。すべて食べようと思い水で洗いながら土を落とすのだが、数十本も黙々と芽の根をちぎっていると首や腰にくる。
生長途中に葉が重なり、それを間引きして収穫したものを特に間引き菜と呼ぶ。たいていの場合、これもサラダで食べられる。上記に書いた発芽直後の間引きスプラウトよりもはるかに楽に洗浄可能なので、ぜひ食べよう。
育てる場所が制限されている容器栽培での葉野菜栽培は、この間引き菜の収穫に救われているといっても過言ではない。随時間引きすることで最終的に残す野菜は大きく生長するし、その生長を待つ間に新鮮な野菜が食べられるのだ。
間引きの方法
たいていは株ごと引き抜くだけでよいのであまり気にしなくともよいが、一部の植物は根を広く広げ、とてもじゃないが大人の力でも抜けない場合がある。ましてや、無理に引き抜くと残しておくべき株まで傷つけるので無理をしてはいけない。
そのような場合には無理をせず、ハサミで根元から刈り取るとよい。根は残ってしまうが、ほかの植物傷つけてしまうよりは幾分かマシである。このとき生長点を残してしまうと再生してしまうので、できるだけ土ぎりぎりの根元を刈り取るようにする。
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