解説
苗とは、植え付け可能なサイズまで育てられた植物の事。はじめからビニールポットで苗として育てられる場合と、最初に育苗箱のような大きな入れ物で育てられてからビニールポットで苗として育てられる場合がある。徒長しやすい植物、根が絡みやすい植物、奇形や病気率が高い植物に対して行われることが非常に多い。
値段
家庭菜園、園芸ブームのおかげか、最近では大変安価で購入できる。苗一株あたり60円〜300円前後。
見定め方
節の間隔が短く太い、病気になっていない、虫食い跡がない、奇形ではないものは良い苗である。苗売り場をみればわかるが、実際には節の間隔が短い苗などほとんど存在しない。これはぎゅうぎゅうに詰めた状態で苗を陳列して販売しているうちに中心部にある苗に日光があたりづらくなり、だんだんと徒長するからである。
外側にある苗ほど徒長していないが、売れるかたっぱしから中心から外側へ陳列をサイクルさせるので、今外側においてある苗は販売開始時期に中心部においてあった可能性もある。
いずれにせよ、できるだけ早い時期に、できるだけ売り場の外側においてある苗を購入することが大切。または、入荷したばかりで中心部に置かれて間もない苗を購入するのもひとつの手である。
接木苗
かぼちゃの苗が土台になり、茎の途中、というか双葉のすぐ上からきゅうりになっている苗を見たことがないだろうか。あれが接木苗である。似た系統の植物であれば、条件次第ではそのような荒業が可能である。きゅうりの病気にかかりにくいカボチャの苗を土台にすることで、接木したきゅうりに病気への耐性をもたせることが可能になるのだ。育てるのはきゅうりなのだが、根はカボチャという変わったスタイルだ。
決められた形状の切り口に、決められた形状に切ったきゅうりの苗を挿し、同化するまで固定し続けて作る。それぞれの野菜に適した接木方法があり、素人がやろうとしてもなかなかうまくいくものではない。やはりプロの手作業となるので、普通の苗と比べると高価である。中には400円前後の接木苗もある。
欠点としては、必要とする養分や吸収する養分が根(土台の植物)に依存しやすいということである。接木で育てたきゅうりと、そうでないきゅうりは味が違う。決してまずくはないし美味しいのだが接木していないものと比べると若干の味の変化があるようだ。ただ、スーパーでは結構な確立で接木栽培した野菜が出回っているので、気にする必要もなければ、気にしたところで味にたいした違いはない。
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